桧「土台」「大引」の製材
☀️が良いです(´- `*)
雨も大切ですが、カラッとした天気の方が仕事は気持ちよくできますね。
さて今日は、私の勤め先からです。
私の業務内容は
「製材」
丸太から角材や板材の生産。
「木工」
盤木、パレット、業務用木箱などの製作。基本、注文がくれば何でも。
「DIY」
営繕、社内用の造作。
「釘類等の消耗品の在庫管理、電動工具の管理」
「人材管理」
社長と人材配置の打ち合わせ、すり合わせ。
業務の指示。人材教育、評価と結果を社長にホウレンソウ。
「担当クライアントの対応」
「配達」
「事務」
…とまあそれなりにありますが、きっと家作りに役に立つ「製材」についてちょっと紹介したいと思います。
そもそも何のために「製材」するの?
確かに丸太まんま利用するというのも手ですが、木は工業製品ではなく植物です。よって、丁寧に管理されている木であってもやっぱりバラツキがあります。つまり、造作加工や施工をしやすくするために、「製材」があるのですね。
「木工」という熟語も馴染みですが、イメージ通り材木から造作することですが、木材加工の略でもあります。ということは、広義には「製材」も「木工」の内ということが言えると思います。
さて、丸太から材木をとるには、丸太を挽かなければいけません。DIYなら手鋸やチェーンソーでもありですが、専門の製材所となると製材機があります。写真は会社にある製材機の中のひとつ、今は亡きトバ鉄工のシングル帯鋸の製材機です。トバさんが何故潰れたか?それは…製材機が壊れないからです(; ゚ ロ゚)この製材機も半世紀使ってもまだ現役ですからね。儲からないわけです。因みに今の最新の製材機は木材をセットすれば、コンピューターが自動でスキャンしてベストな歩留まりで製材してくれるハイテク製材機ですので、高いくせにちゃんと壊れてくれると思います。ハイテクになればなるほど生産性は上がるとは思いますが、不具合が起きやすいという脆弱性に従業員の技術習得にならなかったりを思うと難しいところです。
会社では製材されたものを判別する判別機付きの製材機もありますが、やはりこの判別機の調子が悪くなり、仕事の段取りが狂うということがありますね。
最新のは座ってモニター操作かもしれませんが、この製材機はここに立って操作し運転していきます。判別機がないため、運転する人と製材されたものを前で受けとる「前取り役」が必要です。戦後の稼業製材所はまさにこういう製材機を使い夫婦で作業していたのですね。必ず2人いるため効率は悪いですが、機械はメンテナンスしながら使えば耐用年数はめちゃくちゃ長く経済的です。
ではでは丸太をセットし、挽いていきまーす!
このように丸太をレールにのった台車で挽いていきますので、このような製材機を通称「台車」と言います。
手順は何をどう挽くかで変わってきますが、今日は急ぎで仕上がり105㎜角「土台」「大引」を挽いてほしいとのこと。
家の角材の基本寸法で105㎜角は一般的なサイズですね。もし、予算が出せるなら120㎜角をオススメします。値段アップ以上に強度もアップしますのでお得かと思います!
シングル帯鋸ですので、1面ずつ挽いていきます。因みに帯鋸が2枚あって2面一気に挽く製材機を、「ダブルソー」と言います。
ひっくり返し、両側を挽きます!
ヒノキの良い香りがたまりません。この香り成分ヒノキチオールが防蟻効果を発揮します。
ログハウス用ならこの2面加工した状態で乾燥させます。
さらに反転して4面挽いて角材にしていきます!
このように年輪の中心を真ん中に残した材を「芯持材」と言い強度も耐久性も◎です✨
写真は年輪の色がはっきりとわかりやすい杉ですが、中心の赤身部分だけのものを「赤身材」と言いさらに耐久性は上がるので、ヒノキの「芯持赤身材」を「土台」「大引」に使った家はスーパーデラックスということになります。しかしです。家作りを考えた時、ついつい設備に拘り勝ちですが、設備代をケチってでも、主要構造材は良いものを使うことを私はオススメしますね。なぜなら、設備は後でリフォームしやすいですが、家の土台を替えるって…ヤバイ金額なりますからね。
材木は自然素材ですので湿気を吸排出するから人体にも良いのです。仮に呼吸しないプラスチック等の高分子物質の家で暮らすと、たちまち神経がいかれてしまいます。しかし、材木は呼吸するが故に、動き、くるいが生じてしまうということで、材木の水分を敵対し乾燥乾燥と叫ばれた結果、高温乾燥材が生まれました。その高温乾燥材の分を小さくするために挽いてみたのが、この写真です!表面は割れていないのに、挽くと中が割れていたのです!!!
これは超不自然なことです。自然乾燥では表面から乾くので、割れるなら表面から日割れしますが、中から割れるなんてありえません。つまり、表面が日割れしても強度に問題ないということがいえるのです。しかしどうでしょう。材木を電子レンジにかけ、中から割ってしまった高温乾燥材は明らかに強度を失っています。なのに、こんなものが家の土台として認可さら流通しているのですね。
今は自然乾燥材に近い中温乾燥材も出回ってきましたので、家作りの際に参考にして頂ければ幸いでしゅ!